マラソン大会当日

マラソン大会当日は曇り。雨じゃなかったのが幸いだ。僕はマラソン参加受付と、給水所でランナーに飲み物を配る係を担当することになった。また、市のPRのために、受付会場に地域の特産品や名物料理を振る舞う露店を出店した。早朝から準備の人で会場はにぎわっていた。僕は会場で準備をする人々を見ながら、参加者に地域のことを知ってもらいたい。地域振興につなげたい。そう考えながら日々お店の人、地域の人の協力のもとで大会の準備を進めてきた日々を振り返っていた。

最終的に20近くの店が協力してくださり、どの店も大盛況だった。協力してくださった方からは「大変だし最初はあまり店を出したくなかったけど出してよかったよ」との声をいただき、マラソン大会に参加した人からは「地元の食を楽しめてよかった」「新鮮な野菜を安い値段で買えた」という会話を耳にし、参加者にも喜んでもらえてよかったとホッとした。

受付終了後に給水所へ移動。いつもの日曜日とは違う町の雰囲気に、僕は不思議とドキドキした。沿道では沢山の人が駆けつけ、ランナーに向かって「がんばれ~」と手を振ってエールを送った。僕はランナーに飲み物を渡してったが、中には市役所の職員や、大会の準備を通じて知り合った人やその家族もいた。一緒に飲み物を配った先輩職員は「親父が同級生と一緒に走るって申し込みしたんだけど、大丈夫か心配で・・」とハラハラしながら見守っていたが、最後まで怪我無く走り切ったようだった。

初めてのマラソン大会は定員以上の申込みがあり、たくさんの人が町に訪れ、成功のうちに終わった。普段は寂しい町が、マラソン大会というイベントを通して確かに一体化した。「健康寿命の長い町」は、こういうことなんだろうなとふと思った。そして、初めて自分が企画から携わったイベントが無事に開催されて、喜んでくれる人がいることが感慨深かった。